FROM STAFF
NOZY COFFEE ブランド生誕12周年 ①
こんにちは。NOZY COFFEE 吉田です。
早いもので8月も中盤に差し掛かりました。毎日とっても暑いですね…。熱中症にならないようにお気をつけくださいね。
さて、8月14日は私たちにとって特別な日です。何の日かご存じでしょうか??
正解は、NOZY COFFEE ブランド生誕12周年記念日です!!
(タイトルに書いてあるぅ〜!)
2010年の8月14日に、三宿にNOZY COFFEEがオープンしました。
これを読んでくださっている方は、12年前は何をしていましたか?
ちなみに私はその当時、所属していたテニス部できびし〜い上級生が引退し、浮かれていた頃だと思います。コーヒーは滅多に飲むことはなく、深夜に見たいテレビ番組がある時に目を覚ますために飲んだくらいでした。それが今ではコーヒーを大好きになり、仕事にするまでになるなんて…!
創業からこれまでの12年間、嬉しかったこと、大変だったこと、どんなことがあったんだろう?これまで働いてきたみなさんはどんな思いを持ってやってきたんだろう?そんなことをこの節目に私が知りたかったのもありますが、NOZY COFFEE のお客様にも知っていただけたらなと思い、今回は創業メンバーである、能城さん、菊池さん、佐藤さんに、以下の4つの質問に答えていただきました。
__________
①12年間で印象に残っている思い出はなんですか?
② この12年間で印象深いNOZYのコーヒーはなんですか?
③この12年間でスペシャルティーコーヒーやシングルオリジンを扱う店が増えてきたと思いますが、同業他社に負けないNOZYの強みはなんだと思いますか?
④今後NOZYのコーヒーがどうなっていってほしいですか?
__________
3人からこれまでの出来事や思いを詳細に教えていただきました。
今回は①②の回答を書いていこうと思います。(③④は次回掲載しますのでお楽しみに…!)
では、3人のコメントをぜひご覧ください。
①12年間で印象に残っている思い出はなんですか?
【能城さん】
・2011年、当時の在籍メンバーが全員競技会でセミファイナルに進めたこと!
「当時のメンバー4人がジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ、ジャパンラテアートチャンピオンシップ、ジャパンバリスタチャンピオンシップに出場し、それぞれセミファイナルまで進んだ。創業翌年でまだ何が正しくて何を信じたらいいのかわからなかった時に、全員で準決勝に進めたことは自信に繋がったし、競技会に一生懸命に取り組む楽しさ、大切さを学んだ。また、誰でも主役になれるチームを目指していたので、全員で準決勝に行けたことは嬉しかった。(実は私はJBCにも出ていて、59秒タイムアウトした思い出もあります、、、!ジャッジに瞳を閉じてもらったなぁ。)
【菊池さん】
・焙煎機のトラブル
「関西や東京は計5ヶ所でイレギュラーな焙煎をおこなった。ストレスでNOZY辞めたかった」
THE ROASTERYオープン当初からこれまで何度も焙煎機のトラブルがありました。設置時に中に包材が入りっぱなしで燃えてしまったり、火がつかなくなったり、電子制御するパーツが壊れてしまったり、そのパーツが国内になく、海外から取り寄せるのに時間を要したり…。都内や時には関西まで行ってお世話になっている業者さんのところで焙煎機を借り、計5ヶ所でイレギュラーな焙煎を行ったそうです。
一時期は毎週のように関西に行って焙煎していたことも。朝行って、夜までずっと焙煎。焙煎した分を梱包して発送して、最終のフライトで帰るというハードスケジュール…!
「コーヒー豆を卸しているお客さんへの調整や連絡も大変だったし、いつも使っているものとは違う焙煎機ですぐにフィットさせて良い品質のものを焙煎するのも難しかった。場所を借りているから気も遣うし…。(もちろん貸してくださった皆さん優しかったけど)」
イレギュラーなことが起きると身も心も疲弊すると思いますが、直近起きたトラブルでは、トラブルに遭った経験のある菊池さんが落ち着いて対処しているのを見て、ロースターの吉川さんは安心できたとのこと。そして、そんな落ち着いた吉川さんの様子を見て菊池さんも助けられたそうです。
過去に何度もトラブルが起きましたが、菊池さんだけでなく歴代のロースターたちがイレギュラーな状況でも焙煎に向き合ってくれました。もうトラブルが起きないといいのですが…。
・COE単独落札
2012年ホンジュラスカップオブエクセレンス 20位 エル アグアカテ農園の単独落札。これがNOZY COFFEEにとって初めての単独落札でした。
「43カートンとボリュームが多く、今ほどではないにしても価格も高いので当時の自分達には一つのチャレンジだった」
たった一つの銘柄で、値段も高く量も多い。売り切れるかわからない。
「量を買うことの価値があって、それなりの量を買い付けることで初めてお客さんになれる。少量買ったところで産地行っても相手にされない。そのステージにちょっとだけ踏み入れた感があった。単独で買い付けることによってブランドの名前が出てくれるのが嬉しかった。」
【佐藤さん】
・オープン初日の嵐のような賑わいの後の、平日の静けさ
「正直、苦しい日々だったと思います。菊池さんは覚えてないって言うんですが、当時『もっと深めにしたらいいのかなー?』的なことを、ぼそっと新宿駅のホームで言ったことがあるんです。でも、現在に至るまで意図的に極端に深めや浅めのローストはしませんでした。でも、ぶれず続けてきたことが今のNOZYにつながってるのかなと思います。積み重ねだなと12年経って余計に思います。」
②この12年間で印象深いNOZYのコーヒーはなんですか?
【能城さん】
・グアテマラ ラフォリー農園のコーヒーと、パティスリーTADASHI YANAGIのジュピターとのペアリング
料理通信の取材中に出会えたペアリングです。アールグレイの風味をもったチョコレートケーキ(ジュピター)に、ラフォリーのコーヒーを合わせたときの感動は今でも忘れませんし、あれを超えるペアリングはまだありません。口の中がまるで宇宙でした(笑)
【菊池さん】
・ニカラグア エンバシー農園のコーヒー
「カッピングで90点付くような素晴らしいコーヒーでした。ただ稀にフェノールと呼ばれる薬品臭(過熟の豆の混入による好ましくない酵素反応)が出てしまうことがありました。
生産者のセルヒオさんがギリギリまで攻めた結果、この事態が起こってしまったので セルヒオさんのチャレンジをお客様に説明し、本当に素晴らしい品質であること、ただその反面リスクがあること、NOZYとしてリスクがあるので増量してお渡しすることの全てを理解してもらって販売しました。売り方も含めてNOZYらしいなって思ってます。」
フェノールは見た目ではわからず、避けて販売することは難しいです。しかし、セルヒオさんの取り組みは素晴らしく、それによってとても良い品質ももたらされました。
自分がお客様に販売する立場だったとしたら、「ネガティブなテイストが出てしまう可能性もあるけれど、それすら理解してもらえるような素晴らしい取り組みによってできた良質なコーヒーをプお客様に届くようにプレゼンできたかな?」と考えてしまいました…。勇気がいりますよね。
【佐藤さん】
・ブラジル セルトン農園 ナチュラルのコーヒー(2013年)
「ブラジル カルモデミナスの超有名農園。前年にNOZYとしては初めて扱うことができ感慨深いものがありました。
今では良いコーヒーばっかりだけど、当時はそうではなかったし、ついにカルモのコーヒーを扱うことができるのかー!(涙)みたいな。
そして2013年に販売したロットは特に素晴らしかった思い出があります。
セルトンのナチュラルは2013年のJBC(ジャパンバリスタチャンピオンシップ)ではセミファイナルで菊池さんが使用、2014年のJBrC(ジャパンブリュワーズカップ)では私がファイナルで使用しました。
ナチュラルなんだけど酸がとーっても綺麗で、安っぽいウイスキーなんかじゃなく、高級なブランデー?すーーっと、長いアフター、シルキー。
あー、いいコーヒーだったなー。うん。」
9年経ってもこうして鮮明に味わい思い出せるような、感慨深さと共に心に残るコーヒーと出会えていることが羨ましく思いました。
いかがでしたでしょうか?
「こんな思いを持った人たちがやっているんだ」と少しでも伝われば幸いですし、「裏側ではこんなことが起きていたんだ」と裏話を楽しんでいただけたら嬉しいです。
次回は残りの二つの質問の回答を掲載していく予定です。お楽しみにしていてくださいね。
昔からのお客様も、最近NOZY COFFEEを知ってくださった方も、12年目のNOZY COFFEEをこれからもどうぞよろしくお願いします!