FROM STAFF

「能城さんのニカラグア訪問日記」

こんにちは。NOZY COFFEE吉田です。

能城さんからの産地訪問レポートシリーズ、今回はニカラグア編です。
コスタリカの訪問の後はニカラグアに向かった能城さんと菊池さんです。
能城さんにとってはニカラグアも初めての訪問でしたが、どうだったでしょうか??

Hola!能城です。
ニカラグアを訪問した時のレポートをお届けします。

まず最初に訪問したのはウェジャ農園
エルウィン・ミエリッヒさんファミリーの運営する農園です。

エルウィンさんはCup of Excellenceのヘッドジャッジを務めたり、ACE(COEを主催する団体)でトレーニングを行うなど、品質の理解に秀でている方です。エルウィンさんの妹 エレアナさんもCOEのジャッジをしています。


NOZYでは、3年前ほど前にウェジャのイエローパカマラ種のコーヒーを取り扱いました。


こちらは接木(つぎき)をしたコーヒーの木です。
ロブスタ種の木の枝にアラビカ種の木を繋げています。
根から多く養分を吸収するロブスタの特徴を残しつつ、
風味はアラビカによる特性になるそうです。
これを何万本分も手作業で行っています。骨の折れる作業です。


オーナーのエルウィンさんの息子、エルウィンJrさんに会えました!

続いて、同じくエルウィンさんの運営するエスコンディダ農園へ!


こちらの農園は、実験農場として色々な研究がされており、品種も色々なものが植えられていました。
標高は低いので高品質は作りづらいですが、ここで得た結果を他の場面で応用していけそうです!

続いてもエルウィンさんのところの、ラスデリシャス農園!

(ラスデリシャスはいつか取り扱ったジャバ種×ナチュラルプロセスのコーヒーが印象深いです!たしか、それはCOE提出ロットでした。by吉田)


眺めがとても良いです!
先ほどのエスコンディダより標高が高い場所に位置しています。


黄色く実を付ける品種。


(熟したコーヒーチェリー、とてもつやつやできれいです!by吉田)

ここでは、収穫したチェリーのピッキングと回収が行われており、その様子も見せてもらいました。
チェリーの品質や量に応じて、チェリーを収穫したピッカーさんに代金が支払われます。

その翌日は、ブエノスアイレスグループの農園、ウェットミル、ドライミルに行きました!

ブエノスアイレスやオホデアグア、エルナランホなどのNOZYでお馴染みの農園はみなブエノスアイレスグループです。


オーナーのオルマンさんと。ブエノスアイレスは、オルマンさんとエミリオさんのご兄弟が運営しています。
ブエノスアイレスではさまざまな品種と生産処理を掛け合わせてコーヒーの生産をしており、さまざまなキャラクターを生み出しています。

農園やマイクロミルを見せてもらいました。
農園の敷地が広大で、そして設備がとても立派だったことが印象深いです。

他に印象的だったことは、ブエノスアイレスで働く人々が皆楽しそうだったことです。勤続年数が長い方が多いとも聞きました。すれ違うと、明るく”Hola!”と挨拶してくれました。

一方で、ピッカーさんの人数が足りないという問題もありました。
これはブエノスアイレスだけの問題ではなく、ニカラグアを含む中米では深刻なピッカー不足に陥っています。
これまでピッカーとして出稼ぎに来ていた人々は、皆アメリカに出稼ぎに行ってしまいました。ピッカーの仕事よりも稼ぎが良いためです。

ピッカー不足で起こることは、良い状態のチェリーが収穫できないということです。
最終的には摘み取ることになりますが、最も良い状態で摘み取れないと良質なコーヒーにならず、スペシャルティコーヒーとして出荷できなくなり、収益に影響します。農園にとって大きな損失です。

インフレが収まらない限り、ピッカー不足の問題は解消する見込みがありません。
遠い生産地での出来事ですが、日本にいる消費者の私たちにも影響してきます。

また、ブエノスアイレスでは雨季がいつもより2か月も早く到来した影響で、「フラワリング」という現象も起こっていました。
これではチェリーの収穫ができず、来季のチェリーの熟度がずれてしまうということも起こります。

しかし、問題に直面しながらもブエノスアイレスの皆さんは素晴らしいコーヒーを作るための努力をし、私たちに届けようとしてくれています。
ブエノスアイレスとの関係ができてもう10年以上。素晴らしいコーヒーを作ってくれるブエノスアイレスとの関係をこれからも大切にしていきたいです。

そしてついに最終日。エンバシー農園、カサブランカ農園に行きました!

どちらもセルヒオさんの所有する農園で、セルヒオさんとももう長いお付き合いです。
セルヒオさんは他国のCOEの審査員を務めたり、ブラジルの農園まで視察に行ったりと品質への理解があり、努力を惜しみません。
セルヒオさんの農園は他にもエル ポルベニール農園があります。
(エル ポルべニールの生産処理違い3ロット同時販売したなぁ〜by吉田)


オーナーのセルヒオさん!

農園はブエノスアイレスのほぼ向かいに位置します。
生産者たちは交流があり、品質向上のためにコーヒーに関する知識を共有しあい、切磋琢磨しています。

エンバシー農園は、街の中心部から悪路を2時間進んだ先にあります。
ニカラグアで最も標高の高い農園で、標高1,650mほど。急斜面にコーヒーが植えられていました。

エンバシーの一部のエリアに風が強く吹き抜けるエリアがあり、そこで収穫されたチェリーは品質が特に優れているそうです。今年はそのエリアのコーヒーだけを集めた『ウインディロット』をNOZY COFFEEからオファーしています。

メインで生産している品種はレッドカトゥアイで、隣の斜面にはイエローパカマラやイエローカトゥアイ、向かいの斜面にはジャバが植えられています。
試験的にゲイシャにも挑戦しましたが、悪天候の影響で全てダメになってしまったそうです。

菊池さんいわく、ニカラグアで見たイエローパカマラ種が良かったそうです。エルウィンさんのところや、エルポルべニール、カサブランカのイエローパカマラも良かった。
環境が秀でたエンバシーでもイエローパカマラが植えられていたので、ものすごいものができるかも、と期待していました。

エンバシーではアナエロビコを行っていました。パルピング後にパルプと一緒に75時間嫌気性発酵しています。
アナエロビコについて試行錯誤しており、塩や砂糖を入れて試してみたりもしているそう。塩や砂糖を入れるのは味をつけるためではなく、乳酸菌を増やそうと試みているということでした。

今回のコスタリカ・ニカラグアの訪問で印象的だったことは、どの生産者もとてもよく考えてコーヒー生産に取り組まれていたことです。

ウォッシュドのコーヒーでも、農園によって処理過程の細かい部分が違っていたり…ということも見られました。
農園やミルによって違うのだから、「この方法ならこんな味かな」と、生産処理方法で味を決めつけてしまうのはもったいないなと感じました。

新しい生産処理方法を考えているところもあり、生産者のみなさんからクリエイティブさを感じました。日本にいると、コーヒー生産者は重労働というイメージが強いですが、バリスタやロースターと同じく、感性や技術、経験を駆使してコーヒー生産に取り組んでいる側面があるとわかりました。
今後は生産処理方法の見せ方を変えていく必要があると思っています。

そしてもっとコーヒーに注目を集め、高品質コーヒー市場を成長させ、熱心に取り組む生産者からたくさん豆を購入し、ともに成長していきたいと思いました。

産地訪問ではとにかくカッピングをしました。
スケジュールとしては、午前中に20-30種類のコーヒーを約3時間かけてカッピングし、午後にカッピングしたコーヒーの産地を訪れ、夜になってどのコーヒーを購入するかの集計が行われます。あとで数えると、トータル226サンプル分カッピングしていました!!生産者の目の前でスコアを付けるカッピングは、いつもとは違う緊張感がありました。

カッピングはこれまでもたくさん行ってきましたが、産地でのカッピングはさらに高度な能力を必要としました。
「NOZYのローストならこう変化するな」とか、美味しいけど後味に微かなネガティブが出ていたり、かと思えば乾燥終了後間もない故に出ているネガティブで日本に到着する頃には消えるといった判断だったり。


マイクロミルから帰るバスの中で、ライトで照らしながら朝行ったカッピングのスコアを確認し、どのコーヒーを購入するか検討している菊池さん。

NOZY COFFEEが買付を決める一つの要素に、「品質」があります。カッピングで品質を確認することは重要であり、品質をしっかり見極めることのできる菊池さんに買付を任せてきてよかった、と改めて感じました。

買付をする際に、品質や価格はもちろん大切ですし、NOZY COFFEEは『誰から買うか』も大切にしています。継続的に買付をすることで生産者には安心を提供し、信頼関係を築くことができると思っています。そのためには産地を訪問し、生産者と直接会うことが必要と改めて感じました。実際に産地に行くことで、生産者の皆さんの頑張りを感じられて本当に良かったです。

これにて、コスタリカ・ニカラグア訪問のレポートを終わります!
ボリューミーなレポートになりましたがいかがだったでしょうか?
紹介しきれなかった部分もあるので、私を見かけた際にはぜひ声をかけてくださいね。

それではみなさん、Nos vemos!(また会いましょう!)

< >

RECENT POST

CATEGORY