STORY生産者とのショートストーリー

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2010年 NOZY COFFEEが初めてお客様を迎え入れたその日、エミリオとオルマンの手掛けるコーヒーは今と変わらず商品棚に並んでいた。
あれから私たちのビジネスは少しは大きくなったが、その間彼らの仕事は偉大な成果をあげた。
Cup of Excellence(品評会) にて度重なる入賞、そして2015年はチャンピオンに。
複数の農園と生産処理方法を持っていることで、多様なキャラクターを表現することが可能になった彼らのコーヒーは
クリーンカップベースで豆の素晴らしさをダイレクトに感じることができる。

もはや彼らの元には世界中のコーヒーバイヤーから引き合いがある。
コーヒー生産者の中には有名になった途端に人が変わってしまう人もいる。
しかし彼らは驕ることなくコーヒー生産に尽力し、毎年私たちの為に特別なコーヒーを仕立ててくれる。

彼ら兄弟はとてもシャイで真面目だ。ラテンの血はどこへ行ったのか。
兄のエミリオの姿はいつも農園にある。複数所有している農園をひっきりなしに移動して農園内をくまなく散策しているのだ。
農園を案内してもらうと、えっ まだ進むの? そう思うことが度々ある。
樹の管理の仕方を聞いた時だ。「幹を2本に剪定することで樹の状態を高めることができる」その話を聞き樹を見てみると確かに2本だ。どこまでも進んだ先で樹を見ても。違うエリアの樹を見ても全て2本なのだ。
実はこれは当たり前ではない。
農園内には何万本もの樹が植っている。場所によっては足場の悪い斜面であることも。
嘘つきとまでは言わないが私の経験上、農園主が一部だけ整備してバイヤーにプレゼンしたりすることはザラなのだ。

弟のオルマンは品質管理や輸出に関して担当している。
買い付けの際のカッピングの後はオルマンは私に感想を求めてくる。
品質向上の為だからお互いに真剣で、いいコメントだけではないがそれをメモしていく。
○セッション目の○番目のコーヒーがよかった。そんな話をするとオルマンはとても嬉しそうに少しだけ笑う。
そしてまた筆を走らせる。
あのコーヒーを作るのに俺たちはどんなことをして、量はどれだけあって、値段は‥。
オルマンはそんな話はしない。

愚直なまでに誠実な2人が大好きだ。

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